たのしい人生

人生を一切合財捨てたいな

俺の家族1

 

出会い

6年前の2月、俺は閉店間際のカフェにいた。
そこで俺はライブドアブログに、「如何に俺が食材の賞味期限を軽視しているか」みたいな内容の記事を怒りに任せて書いとった。

 

なんで俺がそんなくだらない記事を書いとるんか。
その1週間前、俺は株式会社はてなの新卒採用最終面接を受けていた。

合否は1週間以内に返事しますと言われていたが大体合格の場合は3日くらいで連絡すると思う。逆に不合格の時は検討している感を醸し出すためにギリギリに送ってくるんちゃうか。

 

3日経ったところで落とされたことを確信した俺は、はてなブログぶっ潰す!!と言いながらライブドアブログを開設し、ひたすら記事を数量産するだけの狂気の存在となっていた。
そして今日で1週間が経つという夕方になっても何の連絡も来ていないなかったので、俺の筆はますます進んだ。

 

そこでメール通知が来る。株式会社はてなから。俺は今更なんなのよ!!という気持ちでメールを開く。
そこには合格の2文字。

 

俺は瞬間その場で立ち上がり、すかさず多種多様なガッツボーズを繰り出した後、気がつけばそのカフェにいた人全員にこの喜びを報告していた。

ライブドアブログはその場で閉鎖した。

 

その時たまたまカフェに居合わせ、おめでとうございます!と言ってくれた人間のうちの1人、宮﨑さんという男がいた。

 

これが俺と宮﨑さんとの出会いとなった。

 

再会


そんなことがあったが、ちょっとおめでとうと言ってくれただけのカフェの人間のことなどその次の瞬間に忘れ去っていた3年後、俺は家で全裸でビールに泡を追加していた。

 

そこで友達から電話がかかってくる。遊びに行かんか、そしてついでに靴でも磨かんかという内容やった。2つ返事でOKをし、俺は大した思い入れもない革靴を履いて遊びに出かけ靴磨き屋に入った。

 

そこには俺が完全に忘れ去った宮﨑さんがいた。

知らない人である宮﨑さんはデザイナーなんやんな?ちょっとこのデザイン見てよみたいな感じでちっさいパンフレットを見せてきて、俺はそれにアドバイスをしたり普通に雑談したりした。

アドバイスをくれたお礼に何か奢るよと言われ、俺は茶碗蒸しをリクエスト。買ってきてもらって店の事務所みたいなところで食いながら何か話してから解散した。

 

その後俺は無事入社した株式会社はてなを好き過ぎて毎日退勤->帰宅->深夜にはてなを見に行く->寝る->出社を繰り返しており、職場が超至近距離だった俺たちは道で偶然遭遇してお喋りしたりしていた。


そんなことが何度かあり、宮﨑さんが俺と友達になりたがっていると友達づてに聞き、友達になりたいやつとは絶対友達になったほうが良いだろ!!と思ったため、深夜に公園に呼び出し一緒に遊んで友達になった。

 

友達になった俺たちは、2〜3日に1回お互いの仕事が同じくらいのタイミングで終わる日に、はてなの前で待ち合わせをしてから一緒に帰った。天体観測が共通の趣味であることが判明し、帰り道に何時間も公園で流星群を見たりした。

 

そうして1年間、一緒にお店で食事をすることも休みを合わせて遊びに行くこともなく、ただストイックに"会社からの帰宅"と"帰宅途中の寄り道の散歩"を3日に一晩ペースで続け、「流石に付き合った方が都合が良い」ということで
3年前、会社が年末年始の休みに入るくらいに恋人となった。

 

宮﨑さん


宮﨑さんは「異常に姿勢が良い」「常に一点を見つめている」「目がガンギマっている」「全てのものを正式名称で呼ぶ」「スーツと靴が大好きで凄まじいこだわりを持っている」という特徴がある。


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射的のフォームが衝撃的な宮﨑さん

 

初めて外でご飯を食べようとなり、景色が良いカフェに行くと50分近く窓際で異常に良い姿勢で外を見つめ続け(その間俺は絵を描いていた)、
帰ってきたので何してたんですか?と尋ねると「どこで気流が発生していたか確認していました」との応答。随分お変わりの方ってわけ。

 

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外を見つめる宮﨑さん

 

2回目のデートでは俺は人生初のキャッチボールをしていた。俺は異常に運動神経が良く、三条公園というデケエ公園、そこでスクリュー回転の速球を宮﨑さんのミットに投げ込みまくっていた(槍しか投げたことがないので自然にスクリュー回転になる)。

 

その後疲れたから焼肉食って銭湯行くか〜などと話していたら「奏珠さんはここでちょっと休憩しておいて下さい」と言われ、素直に休憩していると宮﨑さんは異常に良い姿勢でデケエ三条公園を1人で端から端まで整地し始めた。
俺はやべーと思いながらも黙って見ていた。


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整地する宮﨑さん

 

15分くらいかけて整地を終えた宮﨑さんに公園って整地するものなんですかね?と尋ねると「遊んだら片付けるのは当たり前」との返答。異次元の真面目さにドン引きしつつ、俺は強く「結婚!!!!!」と思ったのだった。


結婚した


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ギニュー特戦隊のポーズを伝授する俺と宮﨑さん


8月くらいの休日、俺が1年の中で下半期に比べて上半期はしょうもなさすぎるといった話を宮﨑さんに力説していたところ、

じゃあ上半期に結婚記念日を作ろう!結婚!!ということになった。

 

ゴーゴー!って気持ちで5月5日に結婚しよう!となったが結婚式場の安い日とか諸々考えていると3月1日に結婚式をするのが良い、3月1日に入籍しよう!といっていたが、


新婚旅行の際にパスポートが旧姓のままだと出入国がだるいと言われた上12月にはパスポートの番号を教えてくれとか言われ、
旅行都合で11月に入籍することにした。

 

両家顔合わせとか挨拶とかは済んでたからまあええかということで本日11月3日の文化の日に入籍したってわけ。結局下半期やん。

 


俺は「宮﨑 奏珠」となったわけだが今まで通り市民、長谷サンです。君の瞳に馳せ参ず〜(笑)、ははははははは、は?笑うな。既婚者を恨め。

 

そして宮﨑さんと俺の出会いははてなに合格したと騒いでいたとこたと付き合って1年くらいで知り(宮﨑さんは覚えていた)、はてなグッジョブと思った。

 

最後に


金曜に社員が最近は結婚報告をしてこないことを社長が嘆いているといっていたので、社長にトラバしようと思ったけどやり方がわからんかった。

栗栖さん、俺、結婚しました!!誰か気づいて、伝えといて!!!


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